2010-01-01から1年間の記事一覧
昨夜、テレビで『Rookies 卒業』(2009年、平川雄一朗監督)を放映していたので、観た。昨年度日本最大のヒット作だが、ぼくにとって信頼すべき評論家や映画好きがこぞってけなしていただけでなく、友だちの野球少年と見に行った中1(当時)の息子までが「…
昨日、テレビで『20世紀少年』第一章を放映していた。悪評はいろいろ聞いていたし、動画投稿サイトで一部観たことあったので、できあがりはだいたい予想していたが、予想以上に最低な作品だった。ひとことでいえば、原作漫画の動くダイジェスト版だ。あの膨…
2009年 韓国 監督=イ・ヘジュン 出演=チョン・ジェヨン チョン・リョウォン 主婦ライター石川結貴さんの新著『ネトゲ廃女』(リーダーズノート)が面白かった。オンラインゲームに人生を支配された主婦の方々のルポであるが、そのあとがきで石川さんはこう…
昨日、『OUT』(2002年、平山秀幸監督)という映画のDVDを妻と見ていた。 桐野夏生原作の同盟小説の映画化で、弁当屋で働く四人の主婦仲間が、ある事件をきっかけに、どんどん人の道から外れていく(アウト!)というストーリー。この手の映画の成否は…
2009年 SPOTTED PRODUCTIONS 監督=松江哲明 出演=林由美香 ユ・ジンソン いまおかしんじ 柳下毅一郎 久しぶりにレビューを書く。レビューというより、映画の中のあるジャンル……いわゆるポルノについての個人史がメインになりそうだ。 ぼくは、林由美香とい…
2010年 アスミック・エース 監督=小林政弘 出演=仲代達矢 徳永えり 小学生の頃のぼくは、仲代達矢こそが日本最高の名優だと思いこんでいた。 具体的には1970年前半、映画全盛期のスターたちはまだまだ健在で、石原裕次郎は七曲署でボスをやっていたし…
2008年 韓国 監督=イ・ジュニク 出演=スエ チョン・ジニョン オム・テウン 久しぶりにレビューを書く。他にも『第九地区』とか『春との旅』など、感想を書きたい映画はたくさんあるのだが、なにせぼくの書くものは長くてくどい(苦笑)。書くのに時間がか…
2002年 韓国 監督=イ・チャンドン 出演=ソル・ギョング ムン・ソリ 映画を見る楽しみについて、かつて宮崎駿監督がこんなことを言っていた。映画館に入った時と、映画を見終わった後では、観客の意識レベルや物の見方が違っていなければならない、と。ハリ…
昨年夏に公開され、話題になった細田守監督のアニメ『サマーウォーズ』を、見に行こうとして、結局見る機会を逃した。友人と見に行った中1の息子も絶賛していたが、なぜ結局足を運べなかったかというと、尊敬する町山智浩氏が、「まあ、テレビで見れば十分…
2006年 韓国 監督=キム・テヨン 出演=ムン・ソリ コ・ドゥシム コン・ヒジョン チョン・ユミ 少し前にDVDで鑑賞。同じ2006年に公開され韓国史上観客動員の新記録を更新した『グエムル 漢江の怪物』を抑え、数々の映画祭で最優秀作品賞に輝いた、地…
2006年 韓国 監督・主演=ヤン・イクチュン 出演=キム・コッピ イ・ファン 亀田興毅が口ひげをはやしたような風貌の男が、バッシングにあう前の亀田興毅がやっていたように、肩をいからせながら、とある家に入っていく。家のなかには、くたびれた風貌の男が…
今回は、韓国の女優さんについて。わがペ・ドゥナさまを「怪訝な顔をさせたら世界一」と表現したのはTBSラジオ『ウィークエンド・シャッフル』でおなじみのライムスター宇多丸師匠だが、そのでんでいけば、『ミスにんじん』のヒロイン、コン・ヒョジンは…
2005年 ビターズ・エンド 監督=山下敦弘 出演=ペ・ドゥナ 香椎由宇 前田亜季 関根詩織 たまには日本映画のことも書いてみる。 といっても、観たきっかけは、やっぱりぺ・ドゥナさまが出演しているからだったりするのだが。 女子高生四人組が、高校の文化祭…
このブログでは、けなさなきゃならないような映画は、なるべく取り上げないできた。もちろん、観ながら「なんじゃこりゃ」「バカじゃネーの?」「ありえねーよ!」と毒づきたくなる映画は、結構ある。というか最近の邦画はそんなのばっかだったりする。 映画…
2007年 韓国 監督=イ・チャンドン 出演=チョン・ドヨン ソン・ガンホ ここのところ、自己愛の強い(自意識過剰な)女が壊れて暴走する映画ばかり見ているような気がする。 かつて「自分探し」なんてイヤなキーワードが流行ったけれど、一度きりの自分の人…
2006年 韓国 監督=パク・チャヌク 出演=ピ(RAIN) イム・スジョン 『復讐者に憐れみを』でわがぺ・ドゥナさまを拷問死させ、『オールド・ボーイ』で名優チェ・ミンシクに生きたタコを踊り喰いさせ、『渇き』では吸血鬼カップルの血みどろバイオレンスを炸…
2007年 韓国 監督=イ・ギョンミ 出演=コン・ヒョジン ソウ ファン・ウスレ このブログでも再三紹介した『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『サイボーグでも大丈夫』『渇き』の残酷大魔王パク・チャヌク監督がプロデュース。監督はこれが第一回作品…
2005年 韓国 監督=パク・チンピョ 出演=チョン・ドヨン ファン・ジョンミン 昔、『ウィーク・エンダー』という深夜のテレビ番組があった。男と女の情痴事件を紹介する番組だったが、なかでも事件をドラマで再現するコーナーがあった。なんせ情痴事件の再現…
2009年 韓国 監督=パク・チャヌク 出演=ソン・ガンホ キム・オクビン 『オールドボーイ』の衝撃タコの踊り食いシーンでぼくを眠れなくしたパク・チャヌク監督の最新作だけに、たとえば「釣り針が耳たぶにひっかかり、耳を引き裂く」とか「胸が切り裂かれ、…
2004年 韓国 監督=キム・ギドク 出演=イ・オル クォク・チミン ハン・ヨルム(ソ・ミンジョン)ぼくが高校生一年生の時だった。ある朝、急に全校生徒が体育館に集められた。校長先生が、なんだか歯切れの悪い演説を始めた。「えっと、もう皆さん、新聞でご…
2001年 韓国 監督=チョン・ジェウン 出演=ペ・ドゥナ イ・ヨウォン オク・チヨン 犬を喰ったり、生きてるタコを躍り食いする映画ばかり続けて見たので、お口直し第二弾に、おそらく韓国でもっともガーリーな映画を見た。韓国では(日本もそうだが)まだ珍…
2003年 韓国 監督=ヨン・イ 出演=ぺ・ドゥナ キム・ナムジン 『オールド・ボーイ』のタコの踊り食いに一晩眠れないくらいの衝撃を受けので、口直しに見た。基本的にラブコメは苦手なんだけど、珍味ばかりじゃ胃がもたれる。たまには、甘いお菓子もほおばっ…
2003年 韓国 監督=パク・チャヌク 出演=チェ・ミンシク ユ・ジテ カン・へジョン 『復讐者に憐れみを』のパク・チャヌク監督の「復讐三部作」の二本目。同監督の新作『渇き』公開前の盛り上げとして、有楽町ヒューマントラストシネマで上映されていたので…
2001年 韓国 監督=ポン・ジュノ 出演=ぺ・ドゥナ イ・ソンジェ レンタル落ちのDVDを入手して見たのだが、これだけ羊頭狗肉なキャッチコピーは久しぶりに見た。ジャケットには大きな文字でこんな宣伝文句が書いてあったのだ。 「とびっきりキュートで、…
2009年 アスミック・エース 監督=是枝裕和 出演=ぺ・ドゥナ ARATA 板尾創路 ぼくは、是枝裕和監督の映画とは、ひどく相性が悪かった。柳楽優弥がカンヌ映画祭で主演男優賞を獲得した『誰も知らない』(2004年)も、岡田准一主演の時代劇『花よりもな…
2005年 韓国 監督=パク・チャヌク 出演=ソン・ガンホ シン・ハギュン ぺ・ドゥナ 以下のようなシーンが生理的にダメという人には、おすすめできない映画だ。・メタボ腹の中年男が、カッターで自分のお腹を切り裂く ・見た目も性格も可愛い女の子が川で溺死…
2005年 韓国 監督=パク・クァンヒョン 出演=シン・ハギュン チョン・ジェヨン カン・ヘジョン むかしむかし……といっても朝鮮半島で血で血を洗う戦争が続いていた半世紀ほど前のこと。山奥にひとつの村がありました。トンマッコル――子どものように純粋な、…
2008年 韓国 監督=ナ・ホンジン 出演=キム・ユンソク ハ・ジョンウ この映画を、日本で作ったとしたら、どういうキャスティングになるだろうな、とふと考えた。 現在日本ではありえない。元刑事か犯人役かどちらかにジャニ系がキャスティングされる。たぶ…
2008年 韓国 監督=ポン・ジュノ 出演=キム・へジャ ウォンビンある場面にどきりとさせられた。 映画の発端は、一人の女子高生が殺害されることから始まる。彼女の葬式に飾られた遺影が、『グエムル 漢江の奇跡』で怪物にさらわれた女子中学生の”遺影”にそ…
2006年 韓国 監督・主演=ポン・ジュノ 出演=ソン・ガンホ ペ・ドゥナ コ・アソン この映画を「嫌いだ」という人は信用できる。 この映画を「つまんない」という人は信用したくない。 かつて、『ゴジラ』など東宝怪獣映画の巨匠だった本多猪四郎の作風を、…