映画(洋画)

ピーター・パン誕生秘話……『ネバーランド』(2004年、イギリス・アメリカ)

2004年 イギリス・アメリカ 監督=マーク・フォスター 出演=ジョニー・デップ ケイト・ウィンスレットジョニー・デップという俳優は、いくら控えめな演技をしても、どこか過剰な変態性が漂う。それをセクシーに感じる人もいるのだろうが、彼が演じるという…

過ちの償い方……『グラン・トリノ』(2008年、アメリカ)

2008年 アメリカ 監督・主演=クリント・イーストウッド 出演=ビー・バン アーニー・ハー クリント・イーストウッドの近作は、決して「泣ける」映画では決してない。俳優の顔ぶれも地味で、派手なアクションもない。それでいて、見終わったらずしりと重いも…

極限状態で自分らしくあるということ……『硫黄島からの手紙』(2006年、アメリカ)

2006年 アメリカ 監督=クリント・イーストウッド 出演=渡辺謙 二宮和也映画の最低条件の一つは「それらしく見えること」だと思う。その意味で、アメリカ人のクリント・イーストウッドが日本人キャストで製作した『硫黄島からの手紙』は十分賞賛に値する。 …

父親が娘にしてやれること……『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年、アメリカ)

2004年 アメリカ 監督=クリント・イーストウッド 出演=クリント・イーストウッド/ヒラリー・スワンク/モーガン・フリーマン 「俺にボクシングを習いたいのなら、まず言っておくことがある」 白髪の老トレーナーは、彼のもとに飛び込んできた娘に言い渡す…

平凡人の偉大さ……『コーラス』(2004年、フランス)

2004年 フランス 監督・脚本・音楽=クリストフ・バラティエ 出演=ジェラール・ジュニョ/ジャン=バティスト・モニエ一人の教師の情熱と指導によって、不良少年たちが成長していく。そういう物語が、今の日本人は大好きだ。ちょっと前だと仲間由紀恵の「ご…

オリンピックの美と官能……『民族の祭典・美の祭典』(1938年、ドイツ)

1938年 ドイツ 監督=レニ・リーフェンシュタール最近、『レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実』という本を読んだ。「真実と嘘」ではなく「嘘と真実」という邦題が、あらゆる意味で20世紀を代表する女性芸術家の生涯のある面を表しているようでおかしい(…

ケイト・ウィンスレットの母なる肉体……『レボリューショナリー・ロード』(2008年、米・英)

2008年 アメリカ・イギリス 監督=サム・メンデス 出演=レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレットケイト・ウィンスレットが23歳のとき主演した「グッバイ・モロッコ」(1998年)という映画がある。二人の小さな子どもをつれ、北アフリカのモロッコ…