ボイスブログ更新……『サニー 永遠の仲間たち』&イ・サンミ・ファンクラブ結成宣言
↓超久しぶりにボイスブログを更新しました(ここもw)。韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』について喋っています。
http://www.voiceblog.jp/kai1964/
ぼくがこの映画を見に行ったのは公開してすぐだった。あまり宣伝もされていない韓国映画の平日昼間はこんなもんかなという程度の客の入りだったけれど(20人くらい)、水道橋博士がツイッターで絶賛してからだろうか、ツイッターでの口コミでどんどん評判が拡がり、ついに連日満員御礼状態となった。
いわゆる韓流ドラマ好きの女性ファンと、流血殴り合いドロップキックの濃い韓国映画ファン男子とは、水と油ぽい雰囲気が(主に韓国映画ファン男子から)醸し出されていたけれど、『サニー』は、その両者の架け橋的な映画として歴史に残るような気がする。
すなわち、韓流ドラマっぽいべったべたのストーリーと、その一方で情け容赦ない流血沙汰が描かれる。その両者を、それ以上やったら臭くなる寸前で切り替える、歯切れの良い演出が融合している。そんな作品だ。
なかでも、映画の終盤、かつて「サニー」の仲間であり、今は敵対関係となってしまったイ・サンミの描き方は、ひどく後味の悪さとともに、であればこそ、その後味の悪さを二十五年の歳月をかけて克服したサニーの面々の再会のドラマが引き立つ。だが、イ・サンミ自身は、まったく救いのないまま、出番が終わり、以後いっさい語られない。サンミを演じたチョン・ウヒという女優さんの迫真の演技が素晴らしかっただけに、多くの観客に強い刻印を残した。
(上)サンミ初登場、最初はいじめっことして
(下)シンナー中毒で大暴れ、哀しくも迫真の演技!
マキタスポーツさんが主宰する「東京ポッド許可局」でも、やはりマキタさんや花くまゆうさくさんらが熱く語り合ったWOWWOWぶらすと「男たちの『サニー』」でも、多くの「サニー」ファンのブログでの書き込みやツイッターでのつぶやきでも、なんとかサンミを助けてあげられなかったのか、という切ない恨み節が目につく。「最後にスジが更正したサンミを連れてきたら100倍泣けた」と書いていた人がいるけれど、100%同意する。会員は自分一名でもいいからファンクラブを結成したいくらいだ。
当然、「サニー総選挙」には、サンミに一票を投じた。
その思いは、韓国の観客も同じだったようだ。『サニー』は韓国の映画祭で多くの部門で受賞したりノミネートされたが、韓国二大映画祭である「大鐘賞」と「青龍映画賞」の助演女優賞部門に於いて、『サニー』からは、サンミを演じたチョン・ウヒさんがノミネートされた。彼女の名前が呼ばれた時、観客席から一段と大きな歓声が湧いた。『サニー』人気の高さだけでなく、チョン・ウヒさんがノミネートされたことで、彼女が演じたサンミもまた救われた気分になった人が多かったのではないかと、勝手に思っている。
ちなみに助演女優賞に輝いたのは、別の映画(「ロマンチック・ヘブン」)での演技を評価された、『サニー』で女子高生時代のナミを演じたシム・ウンギョンだった。アメリカ留学中のシム・ウンギョンにかわってチョン・ウヒがトロフィーを受賞し、スピーチを行った。
ところで、このチョン・ウヒという女優さんは、24歳で『サニー』に出演するまでは韓国内でも無名に近い存在だったようだ。17歳の時に映画デビューし、初めて大きな役についたのは22歳の時、ポン・ジュノ監督の『母なる証明』のミナという役でウォンビンと共演した。
ウォンビン演じる知恵が遅刻気味の青年トジュンがひそかにムラムラしてる、頭は強くないが気のいいムチムチ女子高生を演じた。ひどい表現だけど、そう表現するしかないような役だったのだから仕方がない。
何より強烈だったのは、主人公の母親(キム・へジャ)が殺人容疑で逮捕された息子トジュンの無罪を証明すべく、真犯人と目したトジュンの悪友ジンテの家に忍び込む場面だ。物証はないかと母親が押し入れを物色していると、ジンテがナミを連れて帰ってくる。押し入れに隠れた母親が見守る中、いきなり二人で「しりとりセックス」を始めてしまうのだ。
というわけで、衝撃のシーンを再現!
マンガを読みふけるミナにジンテ「はやくやろうよ〜」ミナ「ちょっといいとこなんだから、読み終わるまで待ってよ」
しりとりセックス開始!「ス……スパゲッティ……」「ティ……ティファニー……」
ボイスブログで述べたように、この場面はパク・チャヌク監督作『復讐者に憐れみを』で聾唖青年役のシン・ハギュンとペ・ドゥナ様が見せた「手話セックス」へのオマージュだけれど、あの映画のペ・ドゥナは、主役級の扱いだった。映画でヌードになる事は決して揶揄されたり軽蔑されることではないが、一人の女性としては精神的にも乗り越えるべきハードルは高いことは想像に難くない。ペ・ドゥナは十分に報われた。
だが、『母なる証明』のミナは、「知恵が遅刻しがちな青年でも性欲はある」という映画の一テーマを表現するために登場しただけの、よく言えばシンボルであり、悪く言えば「いろっぽくてだらしなきゃそれでいい」存在にすぎない(実際、チョン・ウヒがかつて「母なる証明」でしりとりセックス演じた女優であることをツイッターで呟いたら、フォロワーさんから「そうだったっけ? 顔覚えてない」と返事が来た。いや、ぼくもネットで調べるまでは気づかなかった。それだけ印象の薄い役だった)。
そんな報われない役に、チョン・ウヒさんがどんな思いだったかは知らない。しかし、彼女は初めてつかんだ「観客にとって印象に残るキャラ」を存分に演じきった。ハードな役をがんばってこなした人が、きちんと評価されるのは嬉しいかぎり。報われることのなかったサンミのためにも、今後活躍してほしい女優さんだ。
【付記】その後、チョン・ウヒさんについてネットで検索していたら、こんな記事が見付かった。
映画「サニー」で強烈な演技で観客らに深い印象を残した期待の主、チョン・ウヒがナムエクトスと専属契約を結んで新しく跳躍する。
500万観客突破を目前にしている映画「サニー」でシム・ウンギョン、カン・ソラとともに最も注目されている俳優に浮び上がったチョン・ウヒは別名「ポンドゥ女」、「鳥肌立つ演技」、「尋常でない新鋭」という観客らの賛辞を受けて一気に話題の人物に浮び上がった。
「 サニー 」のメンバーらを困らせる問題児のサンミで登場したチョン・ウヒはリアルな演技で映画封切り直後から関係者たちの関心を受けた。
映画「マジャー」で新人にふさわしくない破格的な演技で注目をあびた以後、チョン・ウヒは今回の映画「 サニー 」で80年代感性を刺激するスタイルを自然に消化した。
特に不安定な心理状態を劇的に表現して狂気じみた演技を卓越するようにリリースしたという評価を得ている。
忠武路(チュンムロ)一部では「チョン・ドヨンの後に続く演技派女優が登場した」として絶賛をしている中で、チョン・ウヒは今回のナムエクトスとの契約を通じてより安定的で体系的な環境の中で作品活動を続けさせる計画だ。映画「 サニー」で一気に忠武路(チュンムロ)のシンデレラに浮び上がったチョン・ウヒは今回のナムエクトスとの専属契約決定の理由で「何よりも演技が上手な良い先輩たちが多くて、俳優らの多様な作品活動を最優先でする雰囲気と芸能界で指折り数えられるきれいなイメージが大きく作用した」で伝えた。[TVDaily=イ・ギョンホ記者sky@tvdaily.co.kr] (http://www.allgiveyou.com/board.php?board=news02&command=body&no=328)
なんと、『シークレット・サンシャイン』でカンヌ映画祭主演女優賞の「チョン・ドヨンの後に続く演技派女優」という最大限の賛辞を贈られている。イ・サンミ・ファンクラブ会員#1として嬉しいかぎりだ。
【付記2/2012年12月4日記】なんと、チョン・ウヒさん、初主演! コメントをいただいた、こばてんさんの情報を元に検索したところ、こんな記事を見つけました!
女優チョン・ウヒが映画「ハン・ゴンジュ」のヒロインにキャスティングされた。チョン・ウヒは昨年のヒット映画「サニー 永遠の仲間たち」でシンナー中毒の問題児役で出演し、強烈で印象的な演技を披露した。
今回の映画で、チョン・ウヒは高校生のハン・ゴンジュ役を演じる。映画「ハン・ゴンジュ」は、17歳の少女ハン・ゴンジュが、地方の小さな都市から仁川(インチョン)に転校してきて経験する試練と成長を盛り込んだ作品。チョン・ウヒは映画「母なる証明」「サニー 永遠の仲間たち」に続き、今回も高校生役を演じることになった。
この映画はイ・スジン監督が演出を務める。イ・スジン監督は、第7回ミジャンセン短編映画祭で社会ドラマ部門最優秀作品賞、ミジャンセン撮影賞を受賞しており、映画界から注目されている人材だ。
映画は10月中旬、クランクインする。 (http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=1953172)
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ボイスブログ更新……映画『ヒミズ』は園子温版『罪と罰』だ!
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http://www.voiceblog.jp/kai1964/
今回は公開中の日本映画『ヒミズ』について語ってます。
古谷実の原作マンガを、いま日本でもっとも作家性の強い園子温監督が映画化。
3・11東日本大震災を採り入れ、そのためにラストは180度改変。
この点についていろいろ議論があるようですが、あえて私は言い切りたい。
園子温は正しい!!!
それはなぜなのか。ドストエフスキーの『罪と罰』を絡めながら論じました。
↓予告編
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ボイスブログ更新……『マイウェイ 12000キロの真実』は反日映画なのか
ボイスブログ更新しました↓
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今回は公開中のチャン・ドンゴン&オダギリジョー主演の韓国映画『マイウェイ 12000キロの真実』。
壮大なスケールの戦争描写が話題ですが、同時に「反日映画じゃないか」との声も。
確かに映画の前半、「反日」的な描写もなくはないのですが、果たしてそれがテーマの映画でしょうか?
また、「歴史事実からありえない設定が多い」という声もあります。歴史映画における事実とフィクションの割合はどうすべきなのか。
以下の映画などを引き合いにしつつ、語ってみました。
↓ジャッキー・チェン主演の事実に忠実だが大味な歴史大作「1911」』
↓長野五輪スキー韓国代表選手団を描いた事実ほぼ無視の映画「国家代表!?」
↓なでしこジャパンを映画化したら澤も川澄も消えてしまったような五輪映画「私たちの生涯最高の瞬間」
↓西南戦争をインディアン討伐にしてしまったハリウッド映画「ラスト・サムライ」
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ボイスブログに動画をつけてみました……『アジョシ』(2010年 韓国)
2010年 韓国
監督=イ・ジョンボム 出演=ウォンビン キム・セロン
私がやっているボイズブログ(Kaiの徒然草)の『アジョシ』について語った回に動画をつけ、にこにこ動画に掲載しました。
アジョシは本当に韓国版『レオン』なのか? という疑問に始まり、リュック・ベンソン監督『レオン』『フィフス・エレメント』、ジョン・カサベテス監督『グロリア』、ジョン・フォード監督『三人の名付け親』『駅馬車』、韓国映画の『チェイサー』『息もできない』、そしてドストエフスキーの『罪と罰』などを引き合いに出しながら論じていきます。
↓コメント、罵詈雑言などをつけたい方はこちらへ(四回に分けて掲載しています)
1 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16713568
2 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16713820
3 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16713931
4 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16714042
↓見るだけでいいという方はこちらから。
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スポーツ映画ベストテン(格闘技編)
スポーツ映画ベストテン-男の魂に火をつけろ!
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20111101
↑に球技オンリーで参加させていただきましたが、格闘技編も作りたくなったので、washburn1975さんにお願いしたところ、本当は一人一本だけど特例を認めていただきました。ありがとうございました。お言葉に甘えて二度目の参加です。
格闘技系ですが、いわゆる殺し合い果たし合いメインの映画(「燃えよドラゴン」とか「燃えよドラゴン」とか「燃えよドラゴン」とか)は外しました。
1位 街の灯
ジャンル=ボクシング 1936 アメリカ 監督・主演=チャーリー・チャップリン
いきなり変化球ですが、このボクシングシーンを観て、シルベスター・スタローンは「ロッキー」を作ったという、偉大な作品であります。
2位 ロッキー
ジャンル=ボクシング 1976 アメリカ 監督=ジョン・G・アビルドセン 主演=シルベスター・スタローン
というわけで、2位はもちろんこれ。鍛えることの喜びを最初に教えてくれた大傑作(鍛えてませんけど)。
3位 姿三四郎
ジャンル=柔道 1943 日本 監督=黒澤明 主演=藤田進
世界の黒澤も、処女作は格闘技映画でした。蓮の花のシーンは絶品!
4位 レイジング・ブル
ジャンル=ボクシング 1980 アメリカ 監督=マーティン・スコセッシ 主演=ロバート・デ・ニーロ
男は何故戦う事が好きなのか。その本質の恐ろしい部分を教えてくれた戦慄作(ついでにプロの役者の凄さも)。
5位 ミリオンダラー・ベイビー
ジャンル=ボクシング 2004 アメリカ 監督・主演=クリント・イーストウッド 主演=ヒラリー・スワンク
並べてみるとボクシング映画が結構多い。そのわけをイーストウッドおじさんは教えてくれる。「ボクシングは相手の尊厳を奪うスポーツなんだ」
6位 レスラー
ジャンル=プロレス 2010 アメリカ 監督=ダーレン・アロノフスキー 主演=ミッキー・ローク
理由? コレが男だ! 以上!
7位 ベスト・キッド
ジャンル=空手 1984 アメリカ 監督=ジョン・G・アビルドセン 主演=ラルフ・マッチオ パット・モリタ
理由? コレが日本人だ! 以上!
8位 シコふんじゃった
ジャンル=相撲 1992 日本 監督=周防正行 主演=本木雅弘
脱力系スポーツ映画の傑作。半端に真似する人が多くて困るんだけど。
9位 ローラーガールズ・ダイアリー
ジャンル=ローラーゲーム 2009 アメリカ 監督=ドリュー・バリモア 主演=エレン・ペイジ
だってエレン・ペイジだもん。ドリュー・バリモアだもん。女子のリアルをやれる人と作れる人の強力タッグ。
10位 新しき土
ジャンル=薙刀 1937 日独合作 監督=アルノルト・ファンク+伊丹万作 主演=原節子
日本とドイツが枢軸国としてアメリカやイギリスに逆らっていた時代に作られた国策映画。なんてことはどうでもよくて、十六歳の原節子さん、きれいすぎ可愛いすぎ凛々しすぎ格好よすぎ! 薙刀の他ボートや飛び込み、弓術も披露してくれます。全部萌え!
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スポーツ映画ベストテン
スポーツ映画ベストテン-男の魂に火をつけろ!
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20111101
↑参加します。
もちろん『ロッキー』とか『ザ・レスラー』とか格闘技系の名作も多いのですが、今回は「球技(ボールゲーム)」だけに絞りました。
チーム競技であるボールゲームは、実は絵にするのが難しいジャンルだと思っていて、そんななかできちんとスポーツ的であり、かつドラマとしても盛り上がる作品を選びました。
たとえば『ナチュラル』のように映画としては上質でも、プレー場面が今ひとつな作品は外しています。
1位 少林サッカー
ジャンル=サッカー 2001 香港 チャウ・シンチー監督・主演
もう金字塔でしょ。クライマックスの太極拳シーンは百回見ても号泣です。
2位 メジャーリーグ
ジャンル=野球 1989 アメリカ 監督=デビッド・ウォード 主演=トム・べレンジャー
古典中の古典。というか、この映画以降、スポーツ映画に求められるプレーのリアルさが格段にあがったかも。
3位 私たちの生涯最高の瞬間
ジャンル=ハンドボール 2008 韓国 監督=イム・スルレ 主演=ムン・ソリ
五輪の女子韓国代表チームのお話。マイナースポーツに携わる女性ゆえの苦難のドラマも素晴らしいが、野球と違って絶えず動いているハンドボールの試合シーンが、最低限スポーツとして見られるだけでなく、ちゃんとドラマになっている希有な例。
4位 インビクタス 負けざる者たち
ジャンル=ラグビー 2009 アメリカ 監督=クリント・イーストウッド 主演=モーガン・フリーマン
南アフリカ・ラグビー代表の奇跡の勝利。賛否両論だけど、スポーツが一つの国をここまで動かしていく様をきちんと描いた映画は他にない。
5位 勝利への脱出
ジャンル=サッカー 1981 アメリカ 監督=ジョン・ヒューストン 主演=シルベスター・スタローン
連合軍捕虜vsドイツ代表の試合を占領地フランスで! どうもヒューストン監督、サッカーのルール知らなかったみたいだけどw、ペレのオーバーヘッドだけで十分感動。
6位 ミスター・ベースボール
ジャンル=野球 1992 アメリカ 監督=フレッド・スケピシ 主演=トム・セレック+高倉健
中日ドラゴンズ全面協力。我儘ガイジン助っ人のトム・セレックが日米の野球観の違いを克服し勝利を勝ち取るドラマ。監督役は『ブラック・レイン』に続きハリウッド映画出演の高倉健。
7位 コーチ・カーター
ジャンル=バスケット 2005 アメリカ 監督=トーマス・カーター 主演=サミュエル・L・ジャクソン
実話の映画化。「ちゃんと勉強しない奴は試合に出さん」と宣言、荒れた高校を建て直していく指導者のお話。学校スポーツについて考えさせられる映画。
8位 ホームランが聞こえた夏
ジャンル=野球 2011 韓国 監督=カン・ウソク 主演=チョン・ジェヨン
もう一つ学校スポーツ。実在する聾学校野球部の監督にプロ野球のやさぐれピッチャーが就任。障害者ゆえに甘やかされた選手達に戦うことの喜びを教える。サミュエル・L・ジャクソンに負けず劣らずのチョン・ジェヨンの名演説は号泣もの。
9位 ラブ&バスケットボール
ジャンル=バスケットボール 2000 アメリカ 監督=ジーナ・プリンス・ バイザウッド 主演=サンナ・レイサン
バスケット大好きな幼なじみの男女。男はプロの道を進むが、当時のアメリカには女子バスケットリーグがなく、女のほうは大学卒業と同時にプレーを断念しなければならない。スポーツする女の子のリアルが丁寧に描かれた佳作。
10位 ダイナマイトどんどん
ジャンル=野球 1978 日本 監督=岡本喜八 主演=菅原文太
邦画は伝統的にスポーツ場面の撮り方がうまくないのだけれど、さすがは岡本喜八、得意の編集テクニックで映画そのものがスポーツしてる。
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ボイスブログ更新……『人喰猪、公民館襲撃す』と『エイリアン・ビキニの侵略』。韓国B級映画二本立て
ボイスブログ更新しました↓
http://www.voiceblog.jp/kai1964/1594192.html
渋谷のシアターNにて、『人喰猪、公民館襲撃す』いよび『エイリアン・ビキニの侵略』と、いかにもBテイスト芬々たる映画日本をはしごしてきました。そのレポートを38分ばかり喋っております。
平和な山奥に人喰猪出現! 日帝(日本による植民地支配)による無茶な異種交配の結果生み出されたモンスターだという設定に、例の嫌韓厨バカ映画評論家が狂喜、鬼の首とったように「反日だ反日だ」とみっともなく騒ぎ立てておりますが、なぜ雑種の猪が人を食うようになったかは作品上まったく重要でなく、監督は「核兵器のせい、でもいいかなあ」なんて考えてたとか。
その後、お話の展開は、この手のモンスターパニック映画の定石どおり。すなわち、被害者出現→観光客激減を恐れた村長や実業家が事実隠蔽に走る→ますます被害拡大→警察軍隊役に立たず→民間人がボランティア的に立ち上がる、という経過を辿って捜索隊が結成されますが、その面々は……。
偉いサンであろうと融通きかせずビシバシ取り締まったため、ソウルから山奥の寒村に、認知症の老母と身重の妻を連れて左遷された交通警官(オム・テウン)。まるで『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン』な主人公だが、なにせ交通警官だからピストルなんか撃ったこともなく、まったくの役立たず。老母がふらふら山に入って行方不明になったというだけの理由で捜索隊に参加。
人間嫌いでアフリカ奥地でゴリラと暮らしていたジェーン・グールドに憧れ、山奥でフィールドワークしていた女性動物学者(チョン・ユミ)。人喰猪の出現に、「猪捕獲をビデオで記録すれば、あたしも有名になれる!」と押しかけ的に捜索隊に参加。「足手まといだ」と断られ、「みんなを楽しませてあげます!(謎)」と色仕掛けは不発、それでもめげずについていき、きっちりみんなの足を引っ張ってくれる。
演じるチョン・ユミさんは「家族の誕生」(2006年)での美少女ぶりが嘘のようなガサツな喪女ぶりが素晴らしい。最初から最後まで暴走してくれます。
孫娘を猪に喰われた「伝説のハンター」(チャン・ハンソン)。長年銃を手にしないでいたが、孫娘の敵討ちに立ち上がる。いかにも的確そうなアドバイスを出して、頼もしさ全開だが、映画を見終わってみて気づくのは「この人……何の役にも立ってないジャン!」(だって、銃を撃っても一発も当てられないんだよ)
↑の「伝説のハンター」の弟子だが反発して飛び出し、今や世界的有名人としてマスコミを引き連れてやってくるハンター2。猪を前に足がすくんでしまうなど、口先番長全開。演じるユン・ジェムンは『グエムル 漢江の怪物』のホームレスや『母なる証明』の刑事など、ポン・ジュノ作品の常連。最後のほうで、全裸で紙おむつという素敵な姿も披露してくれます。
いかにも頭が切れそうに振る舞っているが、手癖が悪く、危険な任務は部下に押しつけ、結果的にやっぱり何の役にも立たなかった自称敏感刑事(パク・ヒョックォン)。
↓の予告編は、結構ウソですW。
『隣のゾンビ』のキャスト、スタッフたちが、簡単なプロットだけで集まって、ワイワイ言いながら作り上げた、制作費約35万円のSF大作。
いわゆる下ネタ全開のお色気コメディを期待すると肩すかしです。
最初は、なかなか見せるアクション映画。主人公はテコンドーの使い手。美女を襲った暴漢どもを蹴散らし、手に手を取って我がアパートへ。
中盤は、ホ・ジノ監督(『八月のクリスマス』)ばりの淡い恋物語。
そして最後、真相が分かってみると、隠されたテーマは韓国映画でおなじみのあれ……。ちょっと薗子温監督の『愛のむきだし』を思わせる設定。
何はともあれ、まずは観るべし!
(ちなみに←このビジュアルは映画では一切出てきません)
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